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対人恐怖症 [2020/11/13 22:33] moepapa |
対人恐怖症 [2020/12/30 18:53] (現在) moepapa |
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- | 福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件(ふくおかだいがくワンダーフォーゲルぶヒグマじけん)は1970年(昭和45年)7月に北海道静内郡静内町(現・日高郡新ひだか町静内高見)の日高山脈カムイエクウチカウシ山で発生した獣害事件。 | + | 対人恐怖症(たいじんきょうふしょう、英語: |
- | 若い雌のヒグマが登山中の福岡大学ワンダーフォーゲル同好会(のちにワンダーフォーゲル部へ昇格)会員を襲撃し、3名の死者を出した。福岡大学ワンダーフォーゲル同好会ヒグマ襲撃事件、福岡大学ワンゲル部員日高山系遭難事件とも呼ばれる。 | + | 『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版には、診断基準ではないが、特徴が記され、外見、臭い、表情、しぐさなどが他人を不快にするのではという恐怖であり、社交不安と似ているとしている。 |
- | ===== 事件の経緯 ===== | + | あがり症とも呼ばれる。 |
- | 福岡大学ワンダーフォーゲル同好会所属の学生A(リーダー、20歳)、B(サブリーダー、22歳)、C(19歳)、D(19歳)、E(18歳)の5人は1970年7月12日9時に列車で博多駅を出発し、14日に新得駅へ到着した。14時半に芽室岳へ入山。そのまま芽室岳からペテガリ岳へ日高山脈を縦走する計画だった。 | + | 例えば、他人の前での失敗経験などをきっかけに、人前で症状が出ることを極度に恐れ、他者の目の前で極度の緊張にさいなまれる。思春期にはよく見られ、軽いものは自然に治ってしまう。一方で、社会生活に支障をきたすほど不安が高まってしまう場合、神経症として治療が必要である。軽度のものをあがり症や舞台恐怖と呼び、ひきこもりを伴うなど社会的生活に支障をきたすほど重度のものを「対人恐怖症」と呼ぶ傾向があるが、厳密に区別する定義はなく、その根本は同じと考えられる。よって本記事では同様の症状として扱う。 |
- | 25日、中間地点であるカムイエクウチカウシ山 (標高1, | + | 恥の文化を持つ日本において群を抜いて多く、日本に顕著な文化依存症候群とされ、海外においてもそのまま「Taijin kyofusho」と呼称されている。ただし、社交不安障害(社交恐怖)そのものは世界中で広く見られる。 |
- | 26日の早朝、ふたたびヒグマが現れテントを倒した。Aの指示でBとEが救助を呼ぶため下山を始めた。その途中で北海学園大学のグループや鳥取大学のグループに会ったので救助要請の伝言をし、BとEは他の3人を助けるため山中へ戻った。 | + | < |
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- | BとEは昼ごろに合流し、5人でテントを修繕した。16時ごろ、寝ようとしていた彼らのもとにヒグマが現れ居座った。彼らは鳥取大学のテントへ避難するため、九ノ沢カールを出発し歩き続けた。しかし、鳥取大学や北海学園大学のグループはヒグマ出没の一報を受け、すでに避難したあとだったため、仕方なく彼らは夜道を歩き続けた。 | + | 1975年の『精神医学事典』によれば、対人恐怖とは、対人場面で不当な不安や緊張が生じて、嫌がられるとか、不快感を与えるのではと考え、対人関係から身を引こうとする神経症の一種であるとされる。 |
- | 不幸にもヒグマは彼らを追いかけ、追いついた。ヒグマはまずEを襲い絶命させた。Cは他のメンバーとはぐれてしまった。彼らは一目散に逃げ、その夜はガレ場で夜を過ごした。27日早朝、深い霧が出ていたため視界は悪かった。下山する途中でヒグマはまた現れた。Aがターゲットとなりそのまま襲われて死亡した。BとDは無事下山し、逃げ延びた2人は五の沢砂防ダムの工事現場に駆け込んで車を借り、18時に中札内駐在所へ到着した。 | + | アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版(DSM-IV)に、対人恐怖症が日本における特異的な恐怖症として挙げられている。DSM-IVの「付録I 文化に結びついた症候群の文化的定式化と用語集の概説」に記されている。 |
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- | 仲間とはぐれたCは鳥取大学グループが残したテントに駆け込み一夜を明かしたが、27日の8時ごろにヒグマに襲われ死亡した。Cは死ぬ直前まで様子や心境をメモに書いていた。28日、十勝山岳連盟の青山義信を現場隊長とし、帯広警察署署員や十勝山岳連盟、猟友会などからなる救助隊が編成された。さらに帯広警察署は、カムイエクウチカウシ山などの日高山脈中部の入山を禁止した。翌29日、早朝から捜索していた救助隊は14時45分ごろに八の沢カールの北側ガレ場下で2人の遺体を発見した。遺体は九州から捜索に加わっていた福岡大学ワンダーフォーゲル同好会会員によってAとEであることが確認された。 | + | 西洋社会において一般的な他人を傷つけるか、迷惑をかける、怒らせてしまう自分自身に対する自律的な恐怖より、むしろ、自身に対する攻撃や、社会的な不器用さのため他人によって非難されるといった他律的な恐怖という症状が見られる。ルース・ベネディクト的な、「罪の文化(guilty culture)」に対する、「恥の文化(shame culture)」の表出とも解される。 |
- | 29日16時半ごろ、ヒグマは八の沢カール周辺でハンター10人の一斉射撃により射殺された。亜成獣(3歳)の雌であまり大きくはなかった。30日にはCの遺体も発見された。雨天で足元が悪いことから遺体を下におろすことができず、31日17時に八の沢カールで3人の遺体は火葬にされた。八の沢カールには追悼のプレートがかけられ、そのプレートには「高山に眠れる御霊安かれと挽歌も悲し八の沢」と追悼の句が記されている。3人を殺害したヒグマは解剖されたが、体内からヒトや持ち物などは確認されなかった。このヒグマは剥製にされ、中札内村の日高山脈山岳センターに展示されている。 | + | 対人恐怖症についての理解のしかたはいくつかある。対人恐怖症は「対人場面で不必要なほど強い不安や緊張を生じ、その結果人からいやがられたり、変に思われることを恐れて、対人関係を避けようとする神経症である」ともされる。対人恐怖症の中でも、妄想的確信を抱く恐怖症を「重症対人恐怖症」もしくは「思春期妄想症」と呼ぶ人もいる。ただ、このような恐怖症は妄想を伴っているので、対人恐怖症には含めず、別のカテゴリーで扱ったほうがよいと考える人もいる。 |
- | ===== 教訓 ===== | + | 対人恐怖症の起きるしくみについて、西園昌久は、恥の心理と関係あるのか、恐れの心理と関係があるのかについて調べている。西園の研究によると、男子の場合は、周囲から圧迫を感じる漠然とした対人恐怖、あるいは視線恐怖がほとんどで、他者と対立する自己への不安がみられるという。それに対して女子の場合は、対人恐怖は視線恐怖、醜貌恐怖、赤面恐怖と関連しており、他人の目にさらされる自己の身体像へのこだわりがあるという。 |
- | 野生動物研究家の木村盛武は次の指摘をしている。 | + | 鍋田恭孝の分析では、自意識過剰を「私的自己意識」と「公的自己意識」という用語によって分けている。私的自己意識とは、内面、感情、気分などの他人から直接観察されない自己側面に注意を向けることである。公的自己意識とは、服装、容姿、言動など、他人に観察される側面にこだわることである。対人過敏性が正常範囲内であれば、周りからの評価や視線への(過剰な)気づかいは、公的自己意識が高まることによって生まれ、年齢が高まるとともに消失してゆく。それに対して、対人恐怖症患者は、自己評価のほうを低めて自己嫌悪感を抱いているにもかかわらず、こうあるべきだという高い自我理想を無理に示そうとして公的自我意識を強めることで、それらの乖離に悩んでいるのだという。 |
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- | **ヒグマがあさった荷物を取り返してはいけない。** | + | |
- | 彼らは最初にヒグマに遭遇した際、ヒグマにあさられた荷物を取り返したためヒグマから敵と看做された。ヒグマは非常に執着心が強い動物であるため、一度ヒグマの所有物になったものを取り返すのは無謀な行為である。 | + | |
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- | **ヒグマに遭遇したらすぐに下山しなければいけない。** | + | |
- | 彼らはヒグマに遭遇したものの、身の危険をすぐには感じず下山しなかった。Aの母は北海道放送のインタビューで「カムイエクウチカウシ山はAが日頃から行きたがっていた山だったので、どうしても登頂したかったのかもしれない」と述べている。 | + | |
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- | **ヒグマに背を向けて逃げてはいけない。** | + | |
- | ヒグマは背を向けて逃げるものをイヌのように追いかける習性がある。たとえ敵ではないと認識していても、背を向けて逃げると本能的に追いかけるため非常に危険である。 | + | |
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- | **事前にヒグマに出会ったときの対処法をチェックしておかなければならない。** | + | |
- | 彼らはヒグマにあまり詳しくなかったので間違った対処をした。 | + | |
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- | **ヒグマは時間や天候に関係なく行動する。** | + | |
- | 彼らを襲った時間は朝から夜まで規則的ではなく、濃霧でも行動した。 | + | |
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