高所恐怖症(こうしょきょうふしょう)は、特定の恐怖症のひとつ。高い所(人によって程度の差がある)に登ると、それが安全な場所であっても、下に落ちてしまうのではないかという不安がつきまとう病的な心理。
厳密に言えば「単に高い場所が苦手なこと」とは異なる(こちらは正確には「高所恐怖癖」という。高い場所で本能的に危険を感じ、怖がるのは身を守るための正常な反応である)。真性患者は全高1メートル弱の脚立の上でも身体が竦み、動けなくなってしまう。重度の場合はパニックになり嘔吐するといった症状が見られる。その為、日常生活においても影響を及ぼし、治療が必須とされる不安障害ともされている。
例として、30階建てのビルの屋上から宙吊りにされれば、誰でも恐怖感を感じるわけで、このような「リスクが明らかな形で目に見えている状況」で怖がるのは人間の持つ本能としてごく自然な反応である。むしろ、こういう状況においても恐怖を感じない状態を高所平気症と呼び病的なのではないか、と言う専門家もいる。このことから赤ちゃんは本当は「高い高い」が怖いのではないかという説もある(TBS系のクイズ番組『どうぶつ奇想天外!』で同様の実験を行ったことがある)。
例えば、エレベーター、エスカレーター、ショッピングモールの上階などが怖く、利用を避けている。
2017年のシステマティック・レビューは、曝露療法は短期間においては有効だが長期間ではそうではないことが判明し、系統的脱感作法では長期的な調査はなかった。